東出雲の大きな川沿いの道路を曲がった、古民家の一角に手作りの可愛らしい看板が出迎えてくれます。入ると広々とした庭。そこに「いまみや工房」はあります。
東出雲にギャラリーカフェ兼工房を構えている「いまみや工房」。オーナーの陶芸作家でもあり、画家でもある三島さんと、主にカフェでお料理を担当されている奥様が営まれています。
陶芸体験を受け付けており、週末はピザ窯で焼いたピザを提供するランチも楽しめる。工芸と食、体験が一箇所で同時に楽しめるスポットです。
生活に即した器を作るためのこだわりと計算
――いまみや工房さんの作品は他の陶芸家さんの作品の印象より、生活に即した、リラックスして使える素朴な作品が並んでいると感じます。例えばご飯茶碗など、ご飯が盛られた状態が器を見て想像できると感じています。制作の中で特に大事にしていることを教えてください。 三島さん:器に料理が盛られている状態を想像できる理由は、新作を作ると、いつも「使い勝手が良いか」まず自分でも料理を盛って試してみるからだと思います。 例えば、いくら形がカッコ良い器でも、お買い上げして下さったお客さまに使ってもらわないと器としての意味がない。みんなにいつも使ってもらえるような器を目指して形状や土の質感、釉薬の掛け具合を計算しています。
土と釉薬の研究と地元の素材の活用
――なるほど、三島さんの作品を見て食べ物が盛られている状況を想像できるのは、三島さんが実際に使っているからかもしれません。また、他の作り手さんと比べて土のざらざらした感触を楽しめる作品が多いのも魅力ですね。
三島さん:いつでも釉薬や土については研究していますが、最近は地元で採れた持田の土を使って作品にできないか試しています。民藝の思想にもあるように「地元のものを使って作品を作る」行為は、やはりこの土地でしか出来ない、唯一無二の器が作れる要素の一つになると思います。
アフリカやエスニックの影響を受けたデザインの源泉
――今回、こちらのサイトでお取り扱いをお願いする「カップ&ソーサー」「マグカップ」ですが、素焼きの部分と釉薬のかかるバランスが独特で、とこかアフリカの民族模様のようなデザインを思い起こさせます。三島さんのデザインのルーツはどこから生まれているのでしょうか。
三島さん:アフリカやエスニックなものに惹かれることが多く、民族が自然と共に生活し、そこから無意識に生まれた自然の美がいつも美しいと思っています。そこからインスピレーションを得て作品に活かしていることが多いです。
東出雲の自然と暮らしを彩る
素朴でエスニックなカップたち
――まさに東出雲のこちらのギャラリーと工房も民藝の思想そのものですよね、その土地で取れた土で作られた器で地元の料理を食し、味わう。暮らしと食、美しさを体感できるとっても良い場所だと思います。
三島さん:ありがとうございます。「東出雲」と聞いて松江の人以外はこの土地のことを想像できない人はたくさんいるけれど、例えばこのカップを見て東出雲の自然を想像してくださる人が多くなればと思います。
素朴な土の色合いを生かした「カップ&ソーサー」、「マグカップ」。シンプルで飽きが来ないけれど、どこかエスニックでカッコ良いセンスもきらっと光っています。
いつもの朝のコーヒーに、友達とお茶をするひとときに。1日の終わりにほっと一息つく時に。いろんなシーンで日常に寄り添うカップたちです。
いまみや工房について
【いまみや工房】
所在地:〒699-0107 島根県松江市東出雲町今宮320
電話:0852-52-2928
営業時間:10:00~16:00
定休日:水曜日、木曜日
駐車場:3台
URL: http://kimachikun.blog113.fc2.com
陶芸体験、カフェなども不定期で運営。詳しくはブログ、またはお問い合わせにて。